「ムサコガーデンではモール全体の屋根や通路、ベンチ、店舗に地元の多摩産材をふんだんに使っています。多摩産材をたくさん使ったことで、木のぬくもりが感じられる空間が生まれました。また、地元に自生している植物を中心に約100種を植栽しました。これらの植物には説明版も設置しています。買い物を楽しむだけではなく武蔵小金井という街を知ってもらいたい、親しんでもらいたいという意図があります」(同)
武蔵小杉駅のように大注目されるような都市開発ではないが、地元密着型の沿線開発は、きちんと数字にも表れている。
長らく減少傾向にあった武蔵小金井駅の一日平均乗車人員は、2001年から横ばい状態になり、2005年から再び増加傾向に転じた。その後も順調に乗車人員を増やし、2015年には6万人を突破。こうした傾向は、武蔵小金井駅だけではなく、JR中央ラインモールが開発を担当する武蔵境駅や東小金井駅でも同様の増加傾向が見られる。
まだ武蔵小杉駅の後ろ姿ははるか遠くにあるが、“ムサコ”を名乗るライバルとして、いずれ武蔵小金井駅が武蔵小杉駅や武蔵小山駅と鎬を削る日がくるのかもしれない。