過酷な仕事として知られているのが教師。特に小学校の教師という職業には、特有の難しさがあるという。そこで、Aさん(50代ベテラン教師)、Bさん(30代中堅教師)、Cさん(20代新米教師)という小学校に勤務する2人の女性教師に、現状を語ってもらった。
A:正直、小学生はかわいいけど生意気な面もあって、高学年ほど女性教師をナメてかかります。男性教師が教室の後ろに立つと静かでも、女性だと途端に騒がしくなる。
B:私は極度の運動音痴で、ソフトボール部の顧問をやらされた時に子供たちより下手でした。それがきっかけでナメられて、あっという間に学級崩壊しました。
C:新米教師は保護者から完全に下に見られますよね。特に母親から『子育てしていないのに何がわかるの』との無言の圧力をひしひしと感じます。
B:モンスターペアレントは今も多いですよ。私と同年代の女性教師は娘が熱を出し、自分の体調も悪かったので学校を休んだ瞬間、“モンペ”に『何で休むんだ』と電話ですごまれ、『子供が熱を出して…』と言ったら、『あんた教師でしょ』と畳みかけられた。そうなるといくら調子が悪くても休むのが怖くなり、さらに体調を壊す。結局、その教師は長期休養になりました。
A:教師は真面目な人が多いから、さまざまなトラブルに“何とかしよう”と焦って心を病んでしまうんですよね。
B:以前、心が疲弊したあまり毎日職員室で『1年が終わるまであと何日…』とブツブツつぶやく中堅の先生がいました。やせこけていて子供との関係も最悪でしたね。
C:実は私も新卒の時に授業がうまくいかず、心療内科に通いました。先生は忙しすぎてみんな心の余裕がなく、授業のことを相談しづらい。年齢にかかわらず担任を持つ教師は一国一城の主だから、過干渉できない雰囲気もあります。1年間誰にも相談できず、本当につらかったです。
A:女性教師が周囲に配慮して妊娠・出産しづらいことも問題です。授かりものだから仕方ないのに、年度の途中で妊娠したら職員室が“何やっているの”との雰囲気になる。こうした点が改善されないと、若い人はますます教師になりたがらないでしょうね。
※女性セブン2018年10月25日号