◆平成末期は「ドライブに男はいらない」
「昔のドラマとかを見ていると、よく男の人にクルマを出してもらうなんて話してますよね。私たちは、そういう発想自体がないなぁ」と笑うのは、30歳代前半の女性です。「山道でも、そんなに運転が不安とか思うことはないですね」
クルマのCMも平成の初期の頃は、男性が女性を誘ってドライブに出かけるというものが多かった。しかし、最近のCMは元気な女性が自ら運転席に座って、運転をする。CMによっては、男性が助手席に座っています。
平成30年間で、クルマは男性中心の道具だったものが、操作性が改善されることで、女性も利用できるようになりました。
もちろん、若者のクルマ離れには、20年以上続いた不景気が大きく影を落としていると指摘する声も多くあります。
ソニー損害保険が2018年11月に行った「2019年 新成人のカーライフ意識調査」によれば、『「若者のクルマ離れ」とは自分自身のことだ』に、「あてはまる」と答えた人が33.6%、「あてはまらない」が35.3%となり、ほぼ同数でした。「すでに持っている」あるいは「購入する予定がある」に加えて「いずれは欲しい」を合わせると半数以上がクルマに興味を持っています。ところが、現実には「クルマを所有する経済的な余裕がない」が61.8%と高い割合を占めています。
そして、平成が終わる頃になり、クルマは所有するものから、利用するもの、シェアするものへとさらに多く変化する兆しが見えてきました。今、20歳代や30歳代の女性たちが、「パワステとか坂道発進とか何のこと?」と笑うように、あと20年もすれば、「へえ、クルマって自分で買っていたんですか?」と振り返る時代が来るでしょう。