写真家5人が自選した夏の風物詩の決定的瞬間、二度と撮れない絶景花火写真と、その1枚に込められた写真家の思いをお届けする。
【山梨県 神明の花火大会】
写真家の腕と花火師の技が生んだ美しい絵
・撮影/泉谷玄作 2016年8月7日、毎年、8月7日に開催
・市川三郷町/三郡橋下流笛吹川河畔
「写真では上から下までバランスよく花火が咲いていますが、撮影したのは会場から数キロ離れた場所。打ち上げ音が聞こえず、いつどんな花火が上がるか分からないので苦労しました。これは甲州花火の老舗・斎木煙火本店の作品「聖礼花」で、他に類を見ない極彩色と、斬新なデザインが特徴です。花火師の技と撮影のタイミングがシンクロした美しい絵です」
◆いずみや・げんさく/1959年、秋田県生まれ。現代美術作家・蔡國強氏の依頼で、2002年ニューヨーク近代美術館主催の『動く虹』など撮影。『夜の絶景写真 花火編』(インプレス)、『花火の図鑑』(ポプラ社)など著書多数。