その10年後の今年7月初旬、中国のダムの専門家がグーグルアースで2009年に撮影したダムの基礎部分の写真と、2018年撮影の写真を比較した。すると、2009年の写真ではダムの基礎部分はまっすぐな直線になっているが、2018年のそれでは数カ所が湾曲していると発表したことで、「ダム決壊の危機」との声が高まったのだ。
中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は5日、匿名希望の専門家の話として、グーグルアースの衛星写真に「技術的な問題」が存在するとの指摘を掲載した。同紙は、人工衛星などを製造している中国航天科技集団が公表した衛星写真を根拠に、ダムに「問題はない」と結論づけていた。だが、別の中国メディアは「三峡ダム上流の建設プロジェクトが堰き止め工事に入ったため、ダム周辺への観光客の立ち入りを1週間程度禁止する」と報じており、ダムの緊急補修工事が行われているとの噂も出ている。