日本人が世界で互角に戦えるようになるためには、語学に加えて、セオリー・オブ・シンキングやリーダーシップを身につけることができる教育にゼロベースで転換しなければならない。その契機となるのが真の大学入試改革だが、それを断行できる政治家は見当たらない。役人も入試のやり方に関して迷走するだけで、教育の本質的な議論には取り組めないでいる。
このままだと日本は人口減少に加え、旧態依然の教育の質が重い足枷となって衰退が加速する一方だろう。
●おおまえ けんいち/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。現在、ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。最新刊は小学館新書『経済を読む力「2020年代」を生き抜く新常識』。ほかに『日本の論点』シリーズ等、著書多数。
※週刊ポスト2020年1月17・24日号