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進化するスマート農業 『下町ロケット』の世界が実現する日

野口教授が指差すモニターには、遠隔地で動いているトラクターからの精細な画像が

 北海道岩見沢市はいま、“スマート農業の先進都市”として、世界中の農業関係者から注目を集めている。この地をフィールドに、農業技術開発を進めているのが、無人農業ロボット研究の第一人者で、北海道大学農学部教授の野口伸氏だ。

「いま我々が取り組んでいるのは、トラクターなどの遠隔監視による無人状態での完全自動走行です」

 こう語る野口氏は、作家・池井戸潤氏が『下町ロケット ヤタガラス』を執筆するきっかけとなった研究者としても知られている。

 同書では、準天頂衛星からの位置情報を受けて無人で動くトラクターが描かれていた。実は無人トラクター自体は、農機メーカー各社から既に発売されている。しかし、現在は人間がそばで作業を監視するのが原則。遠隔から監視して作業させる技術はまだ実用化されていない。

 この技術の実現に欠かせないのが、通称「5G」と呼ばれる、第5世代通信移動システムである。

「5Gには高速・大容量、低遅延、多数同時接続という3つの特徴があります。これらを最大限に生かすため、開発はNTTと協力して進めています」(野口氏)

 その開発現場を見せてもらった。

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