国際情報

共和党が「トランプ・チャンネル」にビビり「弾劾無罪」確定

トランプ氏はファイティング・ポーズのまま(AFP=時事)

トランプ氏はファイティング・ポーズのまま(AFP=時事)

 失意のままワシントンを去ったトランプ前大統領は、メディアからも議会からも追撃を受けてサンドバッグになっている。が、早くも復活の兆しが見え始めた。ニューヨーク在住ジャーナリスト・佐藤則男氏がリポートする。

 * * *
 2月8日からの週に始まる予定の弾劾裁判だが、トランプ前大統領は、またしても無罪放免になることが確実となった。1月6日、連邦議会議事堂を襲った暴徒たちを扇動したとして、トランプ氏は下院で弾劾の議決を受けたが、その裁判は上院で行われる。弾劾が成立するためには、3分の2の賛成が必要である。

 裁判に先立ち、1月26日に上院は弾劾裁判を進めるかどうか投票を行った。共和党上院議員50人中、裁判に賛同したのはわずか5人だった。民主党と共和党の議席が50対50の上院で、裁判を行うかどうかの評決が55対45だったということは、この時点でトランプ氏が2度目の弾劾裁判をクリアしたことを意味する。

 トランプ氏に批判的なニューヨーク・タイムズは、「一握りの議員を除く共和党議員の裁判への反対は、トランプ氏の選挙敗北を覆すための厚かましいキャンペーンの後でさえ、同氏が党内で引き続き力を持つことを強く示した」と悔しそうに報じた。

 報道が党派性を持つことは避けなければならないとはいえ、ニューヨーク・タイムズの主張はおおむね正しい。トランプ氏が長いアジテーション演説で、支持者たちに議事堂に乗り込むようけしかけていたことは紛れもない事実である。実際に議事堂に押し入った支持者たちの証言からも、演説の影響は間違いない。それは民主党支持者であろうと共和党支持者であろうと一目瞭然なはずだ。そうであれば、それが大統領としてふさわしい行為だったかどうか、裁判で明確にすることに反対する理由はない。良識の府である上院の共和党議員45人が、こんな当たり前のことに反対するというのは公平に見ておかしいことだ。裁判の評決以前に、事実を明らかにする努力をするかどうかは政治家の良心の問題だろう。

 共和党議員がトランプ氏を追及したがらないのは、すでにNEWSポストセブンでリポートした「トランプ・チャンネル」を気にしているからだ。トランプ氏は近く、保守系のデジタル・メディアを作り、そこを拠点に自分の主張を展開していくと推測されている。実現すれば、これまでFOXニュースなどが獲得してきた保守派の視聴者を一気に囲い込んで、メディアの業界地図を塗り替える可能性も秘める。

関連記事

トピックス

あごひげを生やしワイルドな姿の大野智
《近況スクープ》大野智、「両肩にタトゥー」の衝撃姿 嵐再始動への気運高まるなか、示した“アーティストの魂” 
女性セブン
天海のそばにはいつも家族の存在があった
《お兄様の妹に生まれてよかった》天海祐希、2才年上の最愛の兄との別れ 下町らしいチャキチャキした話し方やしぐさは「兄の影響なの」
女性セブン
満を持してアメリカへ(写真/共同通信社)
アメリカ進出のゆりやんレトリィバァ「渡辺直美超えの存在」へ 流暢な英語でボケ倒し、すでに「アメリカナイズされた笑い」への対応万全
週刊ポスト
川村
【北海道・男子大学生死亡】脚には「龍のタトゥーシール」…逮捕された川村葉音容疑者(20)の同級生が明かす「暴力的側面」と「恋愛への執着心」
NEWSポストセブン
ライブペインティングでは模様を切り抜いた型紙にスプレーを拭きかけられた佳子さま(2024年10月26日、佐賀県基山町。撮影/JMPA)
佳子さま、今年2回目の佐賀訪問でも弾けた“笑顔の交流” スプレーでのライブペインティングでは「わぁきれい!うまくできました!」 
女性セブン
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)、(右はインスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】逮捕された交際相手の八木原亜麻容疑者(20)が高校時代に起こしていたトラブル「友達の机を何かで『死ね』って削って…」 被害男性は中学時代の部活先輩
NEWSポストセブン
木曽路が“出禁”処分に(本人のXより)
《胸丸出しショット投稿で出禁処分》「許されることのない不適切な行為」しゃぶしゃぶチェーン店『木曽路』が投稿女性に「来店禁止通告」していた
NEWSポストセブン
東京・渋谷区にある超名門・慶應義塾幼稚舎
《独占スクープ》慶應幼稚舎に激震!現役児童の父が告白「現役教員らが絡んだ金とコネの入学ルート」、“お受験のフィクサー”に2000万円 
女性セブン
佳子さまの耳元で光る藍色のイヤリング
佳子さまが着用した2640円のイヤリングが驚愕の売れ行き「通常の50倍は売れています」 地方公務で地元の名産品を身につける心遣い
週刊ポスト
傷害致死容疑などで逮捕された八木原亜麻容疑者(20)、川村葉音容疑者(20)(インスタグラムより)
【北海道男子大学生死亡】 「不思議ちゃん」と「高校デビュー」傷害致死事件を首謀した2人の女子大生容疑者はアルバイト先が同じ 仲良く踊る動画もSNS投稿
NEWSポストセブン
いわゆる“ガチ恋”だったという千明博行容疑者(写真/時事通信フォト)
《18才ガールズバー店員刺殺》被害者父の悲しみ「娘の写真を一枚も持ってない。いま思い出せるのは最期の顔だけ…」 49才容疑者の同級生は「昔からちょっと危うい感じ」
女性セブン
騒動があった西岩部屋(Xより)
《西岩親方、19歳力士の両親を独占直撃》「母と祖母が部屋を匿名誹謗中傷」騒動 親方は「幹希の里は覚悟を決めて書いた」と説明
NEWSポストセブン