最近では、主に唾液を検体としたPCR検査を受けられる予約制の検査施設もあるが、症状がすでに出ている人は基本的に受け入れてもらえないので注意しよう。
「民間の検査施設は医師が常駐していないので、価格は手頃です。症状がない人が陰性を確認するために利用するものといえます。万が一、陽性だったときは、医療機関などを紹介してくれるはずなので、必ず連絡して指示を仰いでください」
すぐに結果が知りたいなら抗原検査
「抗原検査はウイルスのたんぱく質を調べる検査で、PCR検査のような専門の機器が必要ありません。30分以内に検査結果がわかるので、急いで結果を知りたい場合は有用ですが、PCR検査に比べると、やや精度が劣ります。
抗体検査は、ウイルスに感染した場合にできる血液の中の抗体の有無を調べるもの。過去に感染したかどうかしかわからないので、いまの感染の状況は判定できません」
3つの検査とも、自宅などでも調べられる検査キットが市販されている。PCR検査と抗原検査は、かんだ鼻水や唾液を検体とし、抗体検査は血液を自分で採取して検体とする。抗原検査と抗体検査はキットを使えば、その場で結果がわかるが、PCR検査のキットでは、採取した検体を検査機関に郵送し、後日、結果をメールなどで知らせてもらうものが多い。
「検査キットは、病院などで受ける検査に比べると精度が劣ります。無症状ならまだしも、症状がある場合は、病院で検査を受けましょう」
無症状の人も病院で検査を受けられるが、この場合、保険が適用されないので、検査費用が全額自己負担になる。
いずれの検査も100%正しいとはいえないので、たとえ陰性だったとしても安心せず、これまでの予防対策を続けることが大切だ。
【プロフィール】
二木芳人さん/2006年から昭和大学医学部臨床感染症学講座の教授などを務め、2020年より現職。日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本化学療法学会などの要職を歴任。
※女性セブン2021年3月18日号