──取引先のミスでそれなりに迷惑をこうむったときに
「ま、こういうことはお互いさまですから」
【ホンネ】「今回だけは許してやるけど、二度とやるなよ!」
【解説】こう言われた側は「じつは相手はけっこう怒っている」ことを察したい。
──会議で上司が的外れな反論や提案をしてきたときに
「なるほど、そういう考え方もありますね」
【ホンネ】「また、ピントのずれたことを言い出しやがって」
【解説】いったん同意して相手を満足させた上で、適当に流したり却下したりする。
人間関係も周囲の評価も、つまるところは「言葉」がカギを握っています。対面でもメールでも、状況に応じた大人の言い換えフレーズを繰り出して、自分の株をどんどん上げてしまいましょう。ちなみに本では、652例のフレーズを紹介しています。
言い換え力のアップは、伝える場面で役立つだけではありません。同時に、自分が言われたフレーズのホンネを察知する読解力もアップします。相手のホンネや言い換えてくれた気遣いを受け止めた上で、こちらもホンネを隠したフレーズを返す――。大人の知恵と勇気が詰まった美しいやり取りで、表面上の平和や心の平穏を保ちましょう。