そもそもシティポップには、明確な定義がない。
「代表的アーティストとして竹内まりやや松原みき、杏里、大貫妙子、山下達郎が挙げられます。サウンド的には洋楽と遜色のないクオリティーやグルーヴ感を持ち、メロディーや歌に独特の“エモい”要素のある曲が多い。だから、言葉の壁のある外国人にも、どこか懐かしさが感じられるのでしょう」(柴さん)
流通的には孤立した環境にあるものの、アメリカについで世界2位の音楽市場規模とクオリティーを持つ日本の音楽シーン(IFPI[国際レコード産業連盟]が2021年3月に発表した年次報告書『IFPI Global Music Report 2021』による)。世界的にも稀有な宝の山だけに、第2、第3の『真夜中のドア』の出現が期待されている。
取材・文/北武司
※女性セブン2021年5月20・28日号