モデルナ製のコロナワクチンも

モデルナ製のコロナワクチン(写真/時事通信社)

 ワクチンの登場により、これまでコロナ禍を一緒に乗り越えてきた周りの人の態度の変化に悩む人もいる。最近、待望の初孫ができたという和歌山県のCさん(60代男性)は、次男の嫁から衝撃的な一言を浴びて喜びも半減してしまった。

「かわいい孫に1日でも早く会いたいと思ったのですが、嫁から『ワクチンを2回打ち終わらないと孫には会わせません』と言われましてね。ワクチンの副反応のニュースを見て、体力も衰えてきたし怖いから打たないでおこうと思っているんだけど、ワクチンを打たないと孫に会えないと言われたらねえ。孫には会いたいけど、嫁の顔はもう見たくないね」

 ワクチンを打った途端に、特権意識を持ち始めた友人に困っているのは、東海地方に住むDさん(70代男性)。

「コロナ禍の唯一の楽しみとして、友人たちと週に1回、ランチに行ってました。そのランチ仲間のうち、ワクチンを接種した友人が2人います。その友人から、ランチの誘いが私に来なくなったんですよ。理由を聞いたら、『君はワクチンを打っていないでしょう。感染リスクがあるからやめた方がいいよ』と。これまで一緒にランチしていたのに、ワクチンを打たないと輪に入れてもらえないのかと気分が落ち込みました」

 ワクチンさえなければ、友情は続いていたかもしれない。友人関係に亀裂が入ったケースは、小学生の子供を持つ大阪府のEさん(30代女性)も同じ。Eさんは家族会議で、ワクチンを打たないという方向性で一致していた。そのことは家族の中だけで留めておけばよかったものを……。

「普段から、お互いの家を行き来するママ友とお茶をしたとき、ワクチンの話になったんです。私が『実家も地方だから親にうつす心配もないし、治療薬が出るまで待つよ。夫も打たないかな』って軽い気持ちで言ったら、それ以来、全く家に来なくなってしまって。余計な一言だったと後悔しています。コロナの感染は避けたいけど、ワクチンの副反応も怖い。でも、ワクチンを打たずに人間関係が壊れるのは嫌。悩みが尽きません」

 ワクチンを打ったからといって、偉そうな態度を取ったら、それこそ人間関係が壊れる気もするのだが……。

※女性セブン2021年5月20・27日号

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