国内

石田純一、首都高フェラーリ炎上事件を振り返る「バブルを象徴する出来事」

ishida

俳優の石田純一と作家の甘糟りり子さんがバブル時代を振り返る

 コロナ禍の東京は、夜間に飲食店も営業しておらず、夜遊びなんてほとんどできない。しかし、約30年前のバブル期には、今からは想像もできないようなきらびやかな世界が広がっていた──。トレンディードラマへの出演をきっかけに大ブレークした俳優の石田純一と、20代半ばでバブル期を体験、今年6月にエッセイ『バブル、盆に返らず』を出版した作家の甘糟りり子さんが、当時を振り返る。

 * * *
──石田は1995年放送の『東京遊民』(日本テレビ系)で司会を担当、甘糟さんはスタッフとして同番組に参加した。バブル期を等身大で謳歌したふたりは、10才という年齢差を感じさせない。

甘糟:若いうちはどうしても女性の方が経験値が上がってしまいますから、10才上の石田さんと私とでちょうど同じくらいかもしれません。

石田:甘糟は10才年下だけど、すっかり同い年感覚(笑い)。ぼくが20代の頃なんて精一杯ツッパっても、ちょっと上のおじさまたちには敵わない。だけど、同年代の女の子たちは、どの店に行ってもどこにトイレがあるか、みんな知っているんだよね。ホント、はやりものに精通していた。

 思うに、今でいう“イケてる女性”は当時、「特等席に案内される女であれ」みたいな気概があったように思います。だからぼくも、黙っていてもレストランの奥の個室に案内してもらえるくらいの人間になりたかった。そのために仕事も思い切り頑張った、みたいな(笑い)。

甘糟:誰もが「もっといい思いをしたい」という熱意があって、世の中じゅうが明日に期待してました。

石田:そうですね。誰もが上を目指せる機運があった。それは間違いないですね。

甘糟:とにかくお金が回り回っていたので、街にも活気がありましたよね。タクシーを捕まえるのも大変でしたし。よくいわれる、一万円札をひらひらさせて止める場面、私は見たことないけれど、さもありなんという気がします。

 私はそういう空気の中で大人になったので、今日より明日の方がよくなっているのが当たり前だと思っていたんです。遅ればせながら、1991年の年末ぐらいに、もしかしたら、そうでもないのかも、と気がつきました。

石田:街も人の気持ちも間違いなくキラキラしていたよね。そういうポジティブな思いがみんなの顔や態度に表れている明るい時代でした。

──当時のサラリーマンや大学生は車を持つのが当たり前。特にBMW3シリーズは“六本木のカローラ”と呼ばれるほどだった。ほかにサーブやプレリュードも人気を博した。時を同じくして、石田が3000万円で購入したフェラーリが全焼するという事件が起きたという。

石田:車に雨漏りがしたんで、修理に向かうためにディーラーさんと首都高を走らせていたときにいきなり出火したんです。まだ3回しか乗っていない車でね。走行中は炎が風で後ろに流れていて、停車した途端にブワーッと火が車全体に回って全焼。停車した瞬間に2人同時に外に飛び出たのを覚えています。バブルを象徴するような出来事でしたね。その後、ドラマの撮影に向かいましたが、放心状態でしたね……。

関連キーワード

関連記事

トピックス

行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
SNSで「卒業」と離婚報告した、「第13回ベストマザー賞2021」政治部門を受賞した国際政治学者の三浦瑠麗さん(時事通信フォト)
三浦瑠麗氏、離婚発表なのに「卒業」「友人に」を強調し「三浦姓」を選択したとわざわざ知らせた狙い
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン