中村さんは「朝のトイレ」に注意を促す。

「そもそも朝方は血圧が上がりやすく、そのうえにトイレで力むと血圧が急上昇して、脳溢血などを起こす恐れがあります。もともと高血圧などで血管の状態が悪い人がワクチンを接種すると体に負担がかかるため、トイレの力みが最後の一押しになる可能性があります」(中村さん)

 自宅では、トイレとともに目立つのが風呂場での死亡だ。2回目のワクチン接種後に体調不良を訴えた62才男性は、翌日の午前中に入浴している最中に亡くなった。また91才女性は、1回目のワクチン接種の5日後に施設で入浴している際、脳出血を発症して死亡した。中村さんは「入浴にはさまざまなリスクがあります」と指摘する。

「お湯の温度が高いとヒートショックが生じて、血圧が大きく変動して失神や心筋梗塞などを引き起こします。また長時間、湯船につかっていると脱水症状になる恐れもあります。入浴の仕方によってさまざまなリスクが生じるので、接種から2週間ほどは体力に過剰な負荷のかかる入り方は避けて、こまめな水分摂取を心がけてほしい」(中村さん)

 日常生活も接種後の体調に大きく影響する。

「接種前後はとにかく規則正しく健康的な生活を心がけて、睡眠や栄養を充分にとってストレスを控えめにしてほしい。過度の飲酒は血流を速めて、循環器に負担をかけるので避けるべきです」(中村さん)

 実際、1回目接種の20日後に死亡した65才男性の自宅からは、大量のアルコールとたばこを摂取した形跡が見つかっている。

 一方で過度の食事制限も避けるべきだ。1回目の接種の5日後に自宅で心肺停止状態で見つかった26才男性は、その前日にダイエットを始めたばかりだった。

「カロリー制限ダイエットは心身に大きな負担がかかり、体調を崩す原因になります。体調を整える意味でも、接種前後のダイエットは慎んでほしい」(中村さん)

働きすぎが死を招く

 働き盛りの世代が特に気をつけるべきは「仕事」かもしれない。4月下旬に1回目を接種した44才女性は、その翌日に朝9時半から午後6時半まで勤務し、翌々日は午後4時から翌朝8時半までの夜勤をこなした。だがその日の深夜、女性は別の勤務先で倒れているところを発見されて帰らぬ人となった。

「その女性に基礎疾患はありませんでした。死因はくも膜下出血。最近まで母親が入院していたことと、通常勤務のほかにもアルバイトをしていたため、厚労省の報告書には『体にそれなりの負担があったのではないかと推測する』として、『ワクチン接種が体の負担をさらに助長した可能性は否定できない』と評価しました。要は、ワクチン接種後の働きすぎが死亡に関係しているかもしれないとの見解です」(前出・全国紙社会部記者)

 新潟大学名誉教授の岡田正彦さんが指摘する。

「接種後も過労になるほどの仕事を続けると、免疫力が低下してワクチンの副作用が生じやすくなります。ファイザー製やモデルナ製のワクチンでは副作用として皮下や脳内で出血が生じるリスクがあるので、接種後の過労には要注意です」

 高齢になるほど服用する薬が増えるが、ワーファリンなどの「抗凝固薬」をのんでいる人は気をつけたい。

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