金融に強い慶應、情報通信に強い早稲田
2位の東京工業大は学部と大学院をあわせた6年一貫教育を実施している理系の大学だ。就職者の多い企業はソニーグループ43人、日立製作所29人、富士通28人、旭化成グループ、NTTデータ、ホンダが各22人、野村総合研究所21人などだ。大手製造業に強いことが分かる。なかでも旭化成グループは大学別で第1位の採用人数だった。
3位は慶應義塾大で40.9%だ。2019年、2020年は就職者3人以上の企業しか公表しなかったため、表では「─」になっている。就職者の多い企業は東京海上日動火災保険82人、三菱UFJ銀行76人、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、アクセンチュアが各70人、富士通68人、楽天グループ59人などだ。メガバンクはいずれも、もっとも採用者が多く、金融に強いことが分かる。
一方、慶應と並び称される早稲田大は10位だが、400社就職者数は、もっとも多い3402人だ。就職者の多い企業は富士通85人、NTTデータ81人、楽天グループ78人など情報通信関係の企業が上位にきているのが特徴だ。
コロナ禍で高まる「理系人気」
トップ30の中で上位は理工系の大学が多くなっている。トップ10では5校が理工系の大学だ。
過去の例から見ても、今後、コロナ不況で大卒者の就職が厳しくなれば理系人気が高まる。リーマンショックによる不況時でも、大手企業は全体の採用人数は減らしたが、メーカーを中心に理工系出身者の採用はそんなには減らさなかった。厳しくなったのは文系学生だ。こうなると、大学入試でも理系人気が高まりそうだ。