●仮面ライダー響鬼(ひびき) 2005年〈平成17年〉1月30日~2006年1月22日放映
何もかも新しい試みばかり。まずはマスク。目や鼻や口といった顔のパーツがない。次に鬼であること。それまでは虫などがモチーフになっていましたが、鬼ですからね。そこがまた驚きでもあり、楽しいところ。そして、武器が楽器。太鼓のバチで戦うんです。あと弟子制度。それでいて、そこかしこに昭和の匂いを漂わせているのが憎い。
●仮面ライダーカブト 2006年〈平成18年〉1月29日~2007年1月21日放映
マスクドフォーム、ライダーフォームと2形態が基本というのも斬新でした。さらにはゆったり構えた戦い方。キャストオフ、クロックアップという演出。止まってるような時間の中、高速移動のスピード感溢れる映像に度肝を抜かれました。あとは主人公の個性。ここまで自信満々なキャラは初めて。なのに愛せる不思議な魅力でした。
●仮面ライダー電王 2007年〈平成19年〉1月28日~2008年1月20日放映
電王が革命を起こしたんじゃないですか。電車に乗車するライダーというのは昭和から見続けている者には絶対に考えられないインパクトがありましたし。こんなアプローチで勝負してきたか、と感動しました。主人公にイマジンが憑依して電王となるのですが、その個性溢れるイマジンたちを活かす声優の皆さんの功績も大きいかと。
●仮面ライダーキバ 2008年〈平成20年〉1月27日~2009年1月18日放映
物語を過去と現在、同時並行で進行させ、なおかつ父と息子の絆も描くというのは、これもまた新しい試み。さらに父と息子、それぞれの恋愛模様が複雑に絡み合い、目が離せませんでした。こういう血が脈々と繋がっている親子関係の話は、それだけでドラマチックですし、月9の恋愛ドラマに負けないクオリティを誇っていましたよ。
●仮面ライダーディケイド 2009年(平成21年)1月25日~8月30日放映
平成ライダー10周年記念作品。その意味合いを込め、それまでの9人の平成ライダーになれるというね、まさに最強の平成ライダー。昭和でも仮面ライダー大集合的な作品が作られ、いろんなライダーが登場しましたが、その究極版です。後半、昭和のライダーにもなれる設定となり、その時代ごとのファンも魅了する作風は実に鮮やか。
(後編に続く)
【プロフィール】
塚地武雅(つかじ・むが)/1971年、大阪府生まれ。1996年、鈴木拓と漫才コンビ「ドランクドラゴン」を結成。現在は俳優としても活躍している
※週刊ポスト2021年10月8日号