区と組合による“トー横キッズ”対策は?
鳥よけシートの設置は「ゴミ捨て防止と植栽保護」が目的だというものの、座り込みを防止する効果もないとはいえない。鳥よけシート設置の是非は一旦脇におくとしても、社会問題となっている“トー横キッズ”対策の必要性を訴える声は少なくない。新宿区はどんな施策を行っているのか。
「TOHOシネマ周辺に群がる若者が、マスコミ等によって“トー横キッズ”等と呼ばれ、常時10名から30名程度の若者が飲酒・喫煙・深夜徘徊等の不法行為を行っている現状については、区も承知しています。しかしながら、区は不法行為に対処し法的に取締まる権限を有していないため、直接の取締まりや補導行為などを行うことはできません。
現在、区では、客引き行為等に対する指導を行う業務を受託している民間の警備会社に、コロナ禍におけるパトロール隊の人員の増強と繁華街のパトロールの強化を委託しており、お尋ねの“トー横キッズ”などの若者もパトロール隊員に声を掛けてくるなど、その存在は双方が認識しているところです。
パトロール隊員が警戒活動中に、これらの若者による不法行為を目撃した際には、パトロール隊員は迅速に110番通報して警察に対応を求めるよう有事の体制を徹底しており、歌舞伎町における若者の問題に対応しています」(新宿区危機管理担当部)
対策について、歌舞伎町商店街振興組合はこう説明する。
「かねてから行政とよく連携し対応して参りました。根底には『居場所のない若者達が自然発生的に居場所を求めて集まってきた』と考えています。歌舞伎町は昔から懐の深い街です。彼らにとっては“数少ない居場所”だったのではないでしょうか。
しかし、実際には他の者や大人が混じり込んで飲んで騒いだり、ゴミを散らかして他人に迷惑をかけたり、意思なく薬物や犯罪に巻き込まれる事件、事案もあり、単に放置していては彼らに身の危険も迫ります。警察や行政含め対話もしながら違法行為は見逃さない、強くも優しい気持ちで対応していきたいと思います」(歌舞伎町商店街振興組合)