国内

若者は「大人が押し付ける政治」にうんざりしているのではないか

若者の政治参加を促す団体による呼びかけが話題になったが20代の投票率は30%台のまま(イメージ、時事通信フォト)

若者の政治参加を促す団体による呼びかけが話題になったが20代の投票率は30%台のまま(イメージ、時事通信フォト)

 近ごろの若者は──、という常套句は古代ギリシャの時代から存在していたそうだが、現代の日本でも同じように繰り返されている。その若者に対しては今も、政治に無関心で、選挙の投票率が低いままだと詰る声が根強い。だが、環境やジェンダー、SDGsなど社会問題への関心は比較的高いのに、なぜそれが政治への関心へ繋がらないのか不思議でもある。ライターの森鷹久氏が、社会問題への関心を持ったにも関わらず政治への関心を失った体験をした若者たちの声を聞いた。

 * * *
 若者は政治に無関心──いつの頃から、こんな言説が「当然の事実」として認識されるようになったのか。とはいえ現在、政治に積極的に参加したいという若者が少ないのは事実だろう。2021年10月の衆議院議員選挙では、10代の投票率が若干回復傾向にあったものの、20代や30代の投票率はそれ以上の世代と比較しても低く、依然として「若者は政治に関心がない」と言わざるを得ない状況だ。

 一方、SNSなどをみていると「政治に参加しよう」と呼びかける若者も少なくない。にもかかわらず、こうした動きが広がっていかないのはなぜなのか。現在、そしてかつて「政治」に興味を抱き、政治的な活動に参加したことがあるという若者に話を聞くと、若者が政治に興味を持たない原因の一つに、理想の政治を若者に押し付けたがる大人の存在があるようだ。

「ゼミの先生から政治を学んでみなさいと言われ、友人と一緒にある政党に所属する市議会議員に連絡を取りました。要はインターンみたいなもの。夏休みの間、演説会のお手伝いをしたり、ビラ配りをしたり、作業自体は楽しかったのですが、それ以外のことが問題でした」

 こう振り返るのは、都内の一流私大法学部に在籍する福田優希さん(仮名・20代)。インターンは三週間ほどの予定だったが、その最中、ゼミの先生から直接、連絡があった。

「私がお手伝いをしていた市議さんが、いわゆる革新系の政党に所属していたんですね。先生は保守系政党を贔屓にしていて、そのことについて苦言が出たんです。なぜ事前に相談しなかったとか、その政党は良くないとか、色々と言われました」(福田さん)

 インターンを終え、レポートを提出したが、評価はあまり芳しくなかった。一方で、高評価を得たのは、保守系の議員事務所で手伝いを行なっていた生徒ばかり。

「明らかな差別です。先生は普段から政治に興味を持てないのは情けないこと、と言っていたのに、実際は、先生がいいと思う政治や政治家に興味を持ちなさい、という強要ですよ。興醒めしたし、政治なんて結局そんなもんかと本当に落ち込みました」(福田さん)

関連記事

トピックス

水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナ、ごぼう抜きの超スピード出世でも防げないフリー転身 年収2億円超えは確実、俳優夫とのすれ違いを回避できるメリットも
撮影現場で木村拓哉が声を上げた
木村拓哉、ドラマ撮影現場での緊迫事態 行ったり来たりしてスマホで撮影する若者集団に「どうかやめてほしい」と厳しく注意
女性セブン
退職した尾車親方(元大関・琴風)
尾車親方、相撲協会“電撃退職”のウラで何が…「佐渡ヶ嶽理事長」誕生を目指して影響力残す狙いか
週刊ポスト
5月13日、公職選挙法違反の疑いで家宅捜索を受けた黒川邦彦代表(45)と根本良輔幹事長(29)
《つばさの党にガサ入れ》「捕まらないでしょ」黒川敦彦代表らが CIA音頭に続き5股不倫ヤジ…活動家の「逮捕への覚悟」
NEWSポストセブン
5月場所
波乱の5月場所初日、向正面に「溜席の着物美人」の姿が! 本人が語った溜席の観戦マナー「正座で背筋を伸ばして見てもらいたい」
NEWSポストセブン
氷川きよしの白系私服姿
【全文公開】氷川きよし、“独立金3億円”の再出発「60才になってズンドコは歌いたくない」事務所と考え方にズレ 直撃には「話さないように言われてるの」
女性セブン
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
田中みな実、寝る前のスマホ断ちで「顔のエラの張り出しがなくなった」 睡眠の質が高まり歯ぎしりが軽減された可能性
女性セブン
AKB48の元メンバー・篠田麻里子(ドラマ公式Xより)
【完全復帰へ一直線】不倫妻役の体当たり演技で話題の篠田麻里子 ベージュニットで登場した渋谷の夜
NEWSポストセブン
”うめつば”の愛称で親しまれた梅田直樹さん(41)と益若つばささん(38)
《益若つばさの元夫・梅田直樹の今》恋人とは「お別れしました」本人が語った新生活と「元妻との関係」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン