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「認知症治療薬は飲みたくない」と語る内科医 長期的な効果に疑問も

認知症の薬を飲みたくないと語る理由は?(岡田正彦医師)

認知症の薬を飲みたくないと語る理由は?(岡田正彦医師)

 厚生労働省によると、75歳以上の4割以上が「5種類以上」の薬を飲んでおり(2020年)、加齢により薬の代謝などの機能が衰え、体内に留まりやすくなる高齢者ほど多くの薬を飲んでいる現実がある。

 こうした「多剤併用」は身体への負担が大きいため、「薬を減らしたい」という人は多いだろう。だが、患者自身の判断で安易にやめる薬を決めるのは、現在の症状の悪化を招きかねず危険だ。

 そこで普段、患者に薬を処方する立場にある医師に、「飲みたくない薬」「飲まない薬」を聞いた。

「認知症の薬を飲んでいる人は多いですが、私自身が飲みたくない薬の最優先候補です」。そう語るのは、新潟大学医学部名誉教授の岡田正彦医師(内科医)だ。

「認知症薬はコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体拮抗薬の2種類が主流ですが、どちらも薬を服用して長期的な認知症の進行を抑えたという明確なデータは存在しません。フランスではこの2種類に分類される4剤について医療上の利益が不十分だという理由で、2018年に保険適用から外されています」

 今年6月、米食品医薬品局(FDA)がアルツハイマー新薬アデュカヌマブを承認したが、そこでも問題があったという。

「薬の有効性に対してFDA諮問委員会のメンバーから否定的な見解が出ており、委員会の否定派の医学者ら3人が相次いで抗議の辞任をするなど騒動に発展しました」

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