ひどくなると生活に支障をきたす肩や腰、膝の痛み。信頼できる医師を見つけるポイントはどこにあるのか。
「説明が曖昧で、治療法に詳しくない場合は要注意」と言うのが横浜市立大学附属市民総合医療センター・ペインクリニック教授の北原雅樹医師だ。
「一般の会社が営業や経理、広報など社内で担当が分かれているように、整形外科医も『肩』『腰』『膝』など細かい専門分野があります。知識と技術を持ったその分野に明るい医師でないと、治療がうまく前進しません」
まずは、自らの悩みと医師の「専門性」がマッチしているかどうかだ。北原医師は、ホームページなどで見るべきポイントは4つあるという。
「医師の肩書の『××専門医』が、自分の症状の部位にあたるかどうか。さらにその部位の関連学会に所属していれば、最新の医学知識と意欲がある医師と推測できます。3つ目として『得意とする疾患』に自分の症状や病名があれば安心です。4つ目は『経歴』。過去の医局でも同じ専門なら詳しい医療機関と考えられます」
また「薬」を慢性的に出す医師には注意が必要だ。
「痛み止めの非ステロイド性抗炎症薬を長期間、月単位で出し続ける医師はやめたほうがいい。慢性痛の改善には繋がらず、副作用の胃潰瘍や腎機能障害の危険があります。
鎮静作用が強い筋弛緩薬を漫然処方する医師も同様です。肝臓や腎臓への負担が大きい薬を処方し続けるなら、半年に一度は血液検査を行なうなど、副作用まで責任を持ってくれる医師を選びたい」
痛みの部位ごとに医師を選ぶ注意点は異なる。
「肩関節周囲炎、つまり肩こりは、基本的には無理のない範囲で動かして改善させるしかありません。安易に痛み止めを出し、動かさないように言う医師は、本当に良い医師とは言えません」