「僕は“あの子”のことをすごく買ってますよ」──落語家・月亭方正は今年の夏にそう語っていた。“あの子”とは、お笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介だ。12月19日に行われた漫才の頂点を決める『M-1グランプリ2021』で、惜しくも優勝を逃したオズワルドだが、今後の活躍に期待を寄せる声は数多い。
ツッコミの伊藤俊介とボケの畠中悠からなるオズワルドは2014年に結成。11月に『キングオブコント2021』で14代目王者に輝いた空気階段とはNSC東京校で同じ17期だった。結成翌年から『M-1グランプリ』に参加し、2019年と2020年は決勝へと進出している。
3年連続での決勝進出を果たした今年。ファーストラウンドでは「友達」のネタで全体トップとなる665点を叩き出し会場を沸かせた。最終決戦ではトリを務め、「割り込み」のネタで笑いを誘ったが、彼らの前に登場したお笑いコンビ・錦鯉の体を張った漫才に惜しくも敗れ、準優勝という結果に終わった。
優勝こそ逃したものの、オズワルドは前評判が高かった。月亭方正は『M-1グランプリ』でオズワルドが準優勝を果たす前から、伊藤俊介の才能をいち早く見出していた。今年の夏に実施したインタビュー中、このように評していた。
「僕が今一番注目しているのはオズワルドの伊藤。あの子はとにかく面白いと思っています。クレバーですよね。すごく頭が良い。けれど、ちょっとぶっ飛んでいるところもあるじゃないですか。何かのネジが外れているというか。
伊藤は僕の後輩なんですよ。年下なんやけど、なぜか“さん付け”してしまいそうになるような、何かを持ってるんですよね。そういった雰囲気はなかなか出せるものではないです。あの子は別に威圧感を出しているわけではないけど、堂々としているというか、ま、頭の良さがにじみ出ているんやと思います。僕はあの子のことをすごく買ってますよ」(月亭方正)