新型コロナウイスのオミクロン株感染が拡大する一方で、ワクチンの3回目接種が急がれるなか。ワクチンの副反応に不安を抱く人も多いだろう。実際にワクチン3回目の副反応はどれほどのものか。
アメリカの臨床試験ではファイザー、モデルナともに2回目接種後と3回目接種後は似たような副反応が発現した。
日本国内のファイザー接種では、わきの下の痛み、リンパ節の腫れ、リンパ節痛は3回目の方が発現頻度は高かった。また、神奈川県藤沢市がファイザーを3回目接種した591人を調べたところ、発熱や倦怠感などの症状の重さや症状が出る人の割合は、2回目と同程度だった。都内在住の40代女性看護師が言う。
「3回目の接種直後から打った方の左腕に痛みを感じ、その夜は眠れなかったです。翌日から1、2回目の倍以上の痛みが続いて鎮痛剤を打ちながら仕事をしましたが、薬効が切れるとまた激痛に襲われて、接種から2週間は肩から上に腕を上げられなかった」
新潟大学名誉教授の岡田正彦さんは現状の調査システムに疑問を投げかける。
「いまの仕組みは、接種後4時間以内のアナフィラキシーを届け出るようになっているだけです。ワクチンの副作用は接種から3か月くらいの期間でさまざまな症状として認められていますが、それらは一切集計の対象になっていない。私の診察する患者でも、ワクチンが原因で亡くなったのではと疑われる人がいますが、届け出る方法がありません。多くの医師が現状の報告システムの不備と、そこから漏れる副作用の問題を危惧しています」(岡田さん)
岡田さんは「交差接種」にも注意を促す。
「長年にわたりさまざまなのみ薬の副作用を調べてきた経験から、作用の異なる薬を併用すると副作用は増えていきます。ファイザーもモデルナも使われている添加物がそれぞれ異なり、mRNAが論文発表と同じものかどうかも不明です。過去ののみ薬の研究から考えると、交差接種で重篤な副作用が生じる可能性を考えるべきです」(岡田さん)
そのうえで慎重な判断が求められる。
「日本ではモデルナの人気がありませんが、海外ではモデルナの方がファイザーより有効との研究が多くあります。その一方で、両者ともオミクロン株には有効性が低いとの研究もある。
要するに、ワクチン接種のメリット、デメリットはまだわからない点が多い。その状況を踏まえたうえで、接種を選択するかどうかを一人ひとりが慎重に判断する必要があります」(岡田さん)