連邦地裁大陪審はダーラム氏の申し入れを受けて関係者を起訴するかどうか検討することになるが、ヒラリー氏本人が召喚されるなど捜査対象にされる可能性は低いと見られている。「ロシアゲート」は米議会でトランプ弾劾の動きに発展したが、共和党が多数を占めていた上院で否決され、アメリカの一般国民にとってはすでに過去の話。そしてヒラリー氏もまた過去の人だ。ワシントンの政界ウォッチャーはこう語った。
「保守とリベラルの対決がここまで泥仕合になるとは悲しくなるね。特別検察官までが政治闘争のプレイヤーになっている。かつてビル・クリントン大統領とモニカ・ルインスキー嬢のセックススキャンダルを追及したケン・スター特別検察官を思い出す。あの時も保守系メディアが特別検察官の応援団になって大騒ぎしたが、今回も同じ図式だ」
左右メディアの狂騒と国民の冷めた目線の落差は大きいようだ。
■高濱賛(在米ジャーナリスト)