飯田:最近、大きなテントサウナ(中をサウナ空間にできる耐熱性テント)をローンで買って、大阪・梅田のシャングリラっていうライブハウスの屋上とかでサウナイベントをやっているんですよ。テントサウナならフットワーク軽く日本中をまわって、全国各地にサウナ好きを増やしていけるんじゃないかと考えました。
やっとタオルだけで飯を食えるようになりましたが、それで終わりではなく、熱波師をもっと夢のある仕事にできたらいいなと思います。大金持ちになれる……とまではいかなくとも、人が憧れる仕事になれば、いろんな人材がどんどん増えて、業界全体が盛り上がると思っています。思い通りにいかないことばかりで難しいけど、目標に向かって走っている今はめちゃくちゃ楽しいです。
お客さんの反応を見て盛り上げるのは、バンド時代と同じ
──サウナ業界の話ではありますが、いろいろ模索して夢を追っている感じが、ちょっと駆け出しのバンドマンっぽいというか……。
飯田:たしかにそうかも(笑)。アウフグースをやるときは、「元気いっぱいになってほしい」とか「リラックスしてほしい」とか毎回テーマを考えた上で、その場のお客さんの反応に合わせて、また微妙に調整しています。お客さんの反応を見て盛り上げるっていうのは、バンド時代からやっていることですよね。
熱波師が増えてほしいので、僕はすぐバイトの若い子にタオルの回し方を教えちゃうんですけど、その子たちが「アウフグースのイベントで拍手がもらえた」とすごく喜ぶんですよ。考えてみれば、他の人から拍手されることって普通はなかなかないじゃないですか。だからこそ、拍手ってすごくうれしいし、病みつきになるものなのかな。意識していたわけではないけど、また他人から拍手されるような仕事を選んでいるなぁとは思います。
お客さんが「やっと休み取れました」とか「仕事切り上げて来ました」と言ってくれるのは本当にうれしいです。そういう人たちに楽しいひとときを過ごしてもらって、また明日からの生活を頑張ってもらう。やっぱり僕はそういう仕事が好きなんですよね。今は本当に天職だと思っています。