多くの臨終に接してきた早期緩和ケアクリニックの大津秀一医師も、「脳の作用が死後世界の幻覚を見せる」可能性もあると分析する。
「2013年のアメリカの有名な大学実験によれば、実験用ラットの心停止後30秒間、脳波活動の急増があったといいます。通常の覚醒時を上回る電気信号が流れることで臨死体験が生じるといい、同様の結果は窒息時のラットの脳活動にも見られたということでした。非常に危機的な状況にある時に平安をくれる脳の働きが、生物にはもともと備わっているのかもしれません」(大津医師)
※週刊ポスト2022年3月4日号