2月20日に閉幕した北京冬季五輪で、日本初となる銀メダルを獲得したカーリング女子。決勝の平均視聴率29.2%は北京五輪最高で、銅メダルだった平昌五輪に続き、カーリング人気が再燃している。
ただ、4年前の平昌五輪後の人気過熱ぶりに、選手たちは葛藤を抱えていたようだ。2月21日付読売新聞はこう書いている。
〈平昌から帰国後、日本のカーリングブームに戸惑った。ハーフタイムの栄養補給が「もぐもぐタイム」と呼ばれ、作戦を決める際に発した「そだねー」が大流行。リンク外ばかり注目され、「カーリングはまだスポーツと認められていない」と複雑な思いがあった〉
とくに流行語大賞を受賞した「そだね~」については、クローズアップされることで競技に集中できなくなることを避けるため、今大会では封印に近い状態だったとされる。メディアも彼女たちをアイドル扱いすることに批判が出たことを踏まえて、今大会ではあくまでアスリートとして報道する姿勢が窺えた。
〈繊細なショット、力強いスイープ、奥深い戦術――。日本の戦いぶりを語るのに、もう「もぐもぐタイム」や「そだねー」は必要なかった〉(同前)
だが、依然として変わらないことがある。カーリング女子に対する「カー娘」という呼称だ。彼女たちにはロコ・ソラーレという正式なチーム名があるが、テレビのテロップやスポーツ紙の見出しでは、「カー娘」と表記されることが多い。
今回の五輪では、SNS上にこの呼称をめぐる否定的意見が相次いだ。
〈カーリングの選手には頑張って欲しいけど「カー娘」とか選手をアイドル扱いする表現には違和感。こういうのは選手にも失礼だと思う〉〈「カー娘」って呼び方がいかにも日本のおっさん達だなと〉
アスリート研修講師の坂井伸一郎氏は、ツイッターでこうつぶやいた。