確かに、ビジネスに必要な知識やスキルはいろいろと語られているが、その根本的なところを突き詰めると、結局は“人の気持ちをどれだけ考えられるか”なのかもしれない。

 こあたんさん自身も、新入社員時代には優秀な先輩から「もっと相手の気持ちになって考えろ!」と口酸っぱく言われたという。そして、そのための具体的な方法の一つとして教わったのが「相手が使っている言葉を使え」というものだったそうだ。

 言われてみれば、外国人が日本語で話してくれると、カタコトでも「一生懸命練習してくれたんだなぁ」とほっこりした気持ちになる。

 仕事柄、世界各地を飛び回ってきたこあたんさんは、フランスに行ったらフランス語を勉強する、オーストラリアに来たらオーストラリアのスラングを勉強する、年配の方と話すときにはその年代の方が使っている単語や表現を使う・・・・・・そうやって相手が使う言葉を自分も使って、相手に寄り添うことを意識しているという。

「使う言葉から相手に寄り添っていくことで、自然と心の距離が縮まっていく気がするんです」(こあたんさん)

 確かに、相手の懐に飛び込むためには言葉から寄り添っていくのも近道かもしれない。そして、“流行は女子高生が作る”とも言われるように、時代の最先端を行く若者が関心を持っていることにアンテナを張っておくのは、ビジネスにおいても非常に重要だ。

 若者の言葉がわかるというのは、これからの時代をリードしていく上で大きな武器となるだろう。

 一方、超高齢化社会となった今、昭和言葉を知っておいたら年配の人ともコミュニケーションがはかりやすい、なんてこともあるかもしれない。

 こちらの懐かしい昭和言葉バージョンも、こあたんさんが投稿したもの。

【昭和言葉で学ぶネイティブ英語】

「ナウい」→Trendy

「アベック」→Couple

「あたり前田のクラッカー」→Of course!

「バッチグー」→Excellent!

「ガビーン」→I’m shocked.

「許してちょんまげ」→Please forgive me.

こあたんさんのTwitterより

こあたんさんのTwitterより

 もはや化石化した昭和の流行語だが、こんな表現も覚えておくと、取引先のお偉いさんに気に入ってもらえることもありそうだ。

 同じ日本語でも、世代や地域によって使っている言葉は十人十色。使う言葉から相手に寄り添っていくことは、相手の気持ちになって考えるためには非常に有効で、ビジネスで成功する足掛かりになるのかもしれない。

◆プロフィール

こあたん:オーストラリア駐在の会社員。楽しくわかりやすく英語を学べる情報をTwitter、Instagramで毎日発信。もともとは英語に苦手意識があったからこそわかる、英語学習者がほんとうに知りたいポイントを伝える。Twitterフォロワー数35万人超。著書に『読まずにわかる こあら式 英語のニュアンス図鑑』『これを英語で言えるかな? こあら式 意外と知らない英単語図鑑』。

 

 

 

 

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