ドラマは桜井の出世作だった。写真は2000年のもの(時事通信フォト)

ドラマは桜井の出世作だった。写真は2000年のもの(時事通信フォト)

『森田童子大全』には、森田さんをプロデュースした松村慶子氏がインタビューで登場するとの記載がある。今回の経緯について松村氏に聞くと、寝耳に水といった様子だ。

「え! そうなんですか? 延期になったことはまったく知りませんでした。いつしか話したことの使用許可を求める連絡が一度だけきましたが、新たにインタビューなんて受けていませんよ。過去に自分で話したことについては“はい、どうぞ”と承諾しました。連絡はそれきりですね」

 この調子では、桜井の寄稿や、ほかの関係者のインタビューなどもどんな体裁のものなのか疑問が残る。遺族はほかの点にも疑義を呈する。

「40年以上前にFM東京(現:TOKYO FM)で放送したラジオライブの音源がCDとなって付いてくるらしいんですが、これはFM東京から提供されたものなんでしょうか。そういった丁寧な説明もないまま告知するなんて不信感しかありません」

(TOKYO FMの広報部は「現在、調査中ですが、広報として番組使用申請があったと把握していません。もし、付録CDが許可なしで発売されるのであれば、法務部に相談したうえで差し止めなど然るべき対応をします」と回答した)

 これを機に、遺族は“正式な窓口”作りを始めている。

「公式ホームページを作っている真っ最中で、開設は森田の命日の4月24日を予定しています。今後、楽曲の使用や企画などの対応は、すべてここを通して行います。『ファンの心を無視した逸脱行為は許さない』『本も承諾していない』と記載するつもりです。今回の混乱について、ファンのかたには申し訳なく思っています」(前出・森田さんの遺族)

『森田童子大全』の出版元は「プロジェクトに関することはお答えしません」と回答。草葉の陰の森田さんが、遺族が、そしてファンが、喜ぶ形を再考する必要があるかもしれない。

※女性セブン2022年4月7・14日号

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