(時事通信フォト)

戦局は長引いている(時事通信フォト)

その5【「マスコミが報じない真実」を自分は知っていると優越感を抱ける】

 たしかに「マスコミ」にも問題はあるでしょう。しかし「ネットの中にこそ真実がある」と言っている人が抱えている問題の大きさや根深さに比べたら、かわいいもんです。そもそもですけど、本当に「隠された真実」なら、ネットですぐ拾えるわけがありません。

その6【「真実」を広めることで“正義の戦士”になれた実感を得られる】

 自信満々で人に何かを伝えるなんて、怖くてなかなかできません。しかし、「陰謀論」にハマってしまえば、さまざまな「知られていない真実」を迷いなく伝えられます。自分では“正義の戦士”のつもりなので、ウンザリした目を向けられるのはむしろ喜びかも。

その7【刺激的な情報に触れて毎日を興奮した気持ちで送ることができる】

 日常生活は、まあ退屈と言えば退屈です。そこに「陰謀論」という刺激的なスパイスを振りかければ、たちまち様相が一変。周囲との軋轢も含めて、毎日を興奮状態で過ごせます。本人が望むなら、それを「充実した人生」と認識することも不可能ではありません。

 こんなにたくさんの幸せがお手軽に味わえるなんて、荒唐無稽な「陰謀論」にハマる人が後を絶たないはずです。ハマってしまった人は、なんせ甘美な世界だけに、そこにずっと留まっていたいし、ケチをつける人に強い憎しみを抱くでしょう。まして「バカじゃないの」と本当のことを言われたら、ますます意固地になります。周囲としては、どうにかしてあげたくても手のつけようがありません。

 ハマっている人がこれを読んで、たとえひとりでもふたりでも「ああ、自分はお手軽で醜い快感に溺れていたのかもしれない」と思ってくれたら、書いた甲斐があったというものです。ちょっと足を踏み入れそうになっている人や、何となく魅力的に見えている人は、ぜひ思い留まってください。まだ間に合います。

 もしかして「陰謀論」大好きな人には、この原稿も「多くの人に知られては困る『真実』を隠すためのマスコミの陰謀」に見えるのでしょうか。「大きな力に命令されて書いている」とか何とか。はいはい、そう思いたければどうぞご自由に。楽しそうで何よりです。

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