ライフ

何度財布を落としても全部戻ってくるオバ記者 通りすがりの親切に感動する

財布を落としてもかならず見つかるという(写真/AFLO)

財布を落としてもかならず戻ってくるという(写真/AFLO)

 世界の中でも特に治安が良いとされている日本。落とし物をしても、交番などに届けられている確率が高いと言われている。実際に何度も財布を置き忘れては、その都度戻ってきたという、稀有な経験を繰り返している人もいる。女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子が、「世の中、捨てたもんじゃない!」と感じた体験を明かす。

 * * *
 この春、区からありがたい「敬老入浴券」が送られてきた65才の私。寄る年波には抗えないね。忘れ物が激しくて‥‥なんて穏やかな話じゃない。私の場合、物心ついたときからだもの。財布は何個なくしたか。さらに家の鍵、自転車の鍵……。

 理由はわかっている。何かに気を取られると、手に持っていたものが頭から消えちゃうんだよ。

 そんな私が今日まで生きてこられたのは、通りすがりの人々が親切だったから。道を歩いていると後ろから「落ちましたよ」と声がかかる。振り向くと私の財布や傘を持った人がニコニコと立っている、なんてことは日常茶飯事。

 この間は、東京・上野にあるデパートのベンチでメールを打ってから焼肉店に入り、さてお勘定、というときになって、財布がないことに気づいたの。あっ! そういえば、さっきベンチで財布を取り出したっけ。「ちょっと見てきます!」と店を飛び出したけど、ナイッ! ああ、財布の中には現金8万円が入っていたんだっけ。クレジットカードもキャッシュカードも全部入っている。どうしよう。

 焼肉店の人に事情を話したら、警備室に電話をかけてくれたの。「警備員が保管しております」と目くばせしてくれた女性スタッフが冗談抜きで天使に見えたっけ。

 だけど私の天使は、その警備員や女性スタッフだけじゃないんだよね。その直後、今度はバスの中に財布を置き忘れたし、ショッピングモールでも同じ騒ぎを起こしているの。そして全部、戻ってきている。

 つまり、名も知らぬ人の善意によって、今日ここにあるわけ。しかも、通りすがりの親切は無償の愛。これがないと困るだろうという、咄嗟の行動よね。「ありがとう」なんて言葉じゃ追いつかないよ。

 こんなことがあるたびに、世の中、捨てたもんじゃない、日本はまだまだ大丈夫だと、ジンとくるんだわ。

※女性セブン2022年6月9日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
どんな演技も積極的にこなす吉高由里子
吉高由里子、魅惑的なシーンが多い『光る君へ』も気合十分 クランクアップ後に結婚か、その後“長いお休み”へ
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
『教場』では木村拓哉から演技指導を受けた堀田真由
【日曜劇場に出演中】堀田真由、『教場』では木村拓哉から細かい演技指導を受ける 珍しい光景にスタッフは驚き
週刊ポスト