料理を通して達成感や上達の過程を見せる
一般的な料理番組では、付け合わせにもう1品作ったりするのが普通だが、この番組で作るのは1品のみ。アジのパン粉焼きで、用意されていたのはアジの切身、パン粉とそれに合わせる調味料だ。野菜の皮を剥いたり切ったりする作業もない。先生が調味料をパン粉と合わせて衣を作り、片身の皮目につけていく。ちょっとしたコツを教わりながら、もしかして今日、彼はこのまま何もせずに終わるのは?と思ったその瞬間、先生が「ではDAIGOさん」と残りの切身を差しだした。
「僕、このままだと今日、何もやらずに終わるところだったんで」と笑うDAIGOさん。切身に卵とパン粉をつけるだけなのに、その手つきはぎこちない。慎重に丁寧にと手間取りながらつけたパン粉が、なぜか一部分はがれてしまい「ショック」と言う彼。先生はそれを見て「失敗」ではないと言い、ちょんちょんとパン粉をつけて直してくれる。実にほのぼのしているのだ。
他の日には計量スプーンで丁寧に調味料を計り、違う日には野菜の皮を剥いたり切ったり。肉に調味料をもみこんだり、野菜に肉を巻いてみたり。簡単にできそうなことを、彼はその度に「できた!」と声を上げ、笑顔を見せる。この番組は単なる料理番組というより、料理を通して味わう達成感や満足感と上達する過程を見せる番組かもしれない。包丁を手に野菜を切り始めた当初は、あまりに危なっかしくて見ているのが怖かったが、今は先生がうまくなりましたねと褒めるほど、スムーズになってきた。
番組の最後はお皿を洗いながら、その日の感想などを語るのだが、にこやかに丁寧にお皿を洗い、それすら楽しんでいる様子は「新近効果」と相まって、真面目なキャラで知られる彼の好感度をさらにアップさせている。新近効果は最後に与えられた情報でその人の印象が左右されるという傾向だ。初頭効果と新近効果、この2つがセットとなれば、彼と番組への印象は格段によくなってくる。
料理番組とDAIGOさん、この組み合わせは絶妙だったようだ。さて、きょうのDAIGOは何をするんだろう?