集団予防接種が原因の場合は 補償が受けられるケースも
瀬川:結果を知るのが怖い気持ちもあると思いますが、勇気を出してほしい。最近は治療法も進んでいますよね?
巽:根治は難しいですが、定期的に経過観察をして治療を受ければウイルスの活動を抑えて、症状を最小限にすることは可能です。また、感染の原因が国の集団予防接種での注射針の連続使用や、それに伴う母子感染であれば、給付金がもらえる可能性があります。
瀬川:治療費や療養中の生活を心配する人も多くいるので、補償を受けられるのであれば安心ですね。具体的にはどんな内容になるのでしょうか。
巽:細かい条件はありますが、昭和16年7月2日〜昭和63年1月27日までに生まれた人で満7才までに予防接種によって感染した人と、そこから母子感染した場合は、無症状であっても基本的に対象になります。
瀬川:検査を受けてこの条件に当てはまることがわかったら、法律相談窓口に行くことが先決ですね。
巽:もしご本人が体調不良だったり高齢で外出に不安がある場合、家族などの代理人でも、受け付けられます。
瀬川:それは知りませんでした。検査と同じく、周囲の“おせっかい”が必要ということですね(笑い)。もし自分が感染していなかったとしても、こうした情報や知識を得ることで家族や友人の健康を守れるのは素晴らしいこと。“人生100年時代”といわれますが、健康な体があってこそ生き抜いていける。私のいまの目標は80才まで現役で歌手を続けること。みんなで労り合って、健康で楽しく過ごしましょう!
【プロフィール】
瀬川瑛子(せがわ・えいこ)/東京都生まれ。父である歌手・瀬川伸さんのレッスンを5才から受け、1967年にデビュー。1986年には夫婦の情愛を描いた「命くれない」がミリオンセールスを記録して大ヒット。今年でデビュー55年を迎える。
巽周平(たつみ・しゅうへい)/2012年にベリーベスト法律事務所入所。「相談者の悩みを親身に聞き、問題を解消するために全力を尽くす」をモットーにB型肝炎訴訟を中心に、刑事事件、離婚裁判など幅広い分野で実績がある。
撮影/平林直己
※女性セブン2022年8月4日号