また、日本人は遺伝的に、でんぷんを分解するアミラーゼ酵素が多いほか、糖質の代謝を促すインスリンに対する感度が高い。医学博士で管理栄養士の岩崎真宏さんが言う。
「すい臓からインスリンが分泌されると、糖質が筋肉に取り込まれ、エネルギーとして使われます。日本人は、欧米人と比べて少量のインスリンでも、筋肉が糖を取り込む性質があるため、米などの糖質では太りにくいのです。一方、欧米人が糖質を筋肉に取り込むためには、インスリンを大量に出す必要がある。すると、筋肉だけでなく脂肪細胞も反応してしまい、余った糖が脂肪として蓄えられてしまう」(岩崎さん・以下同)
欧米では日本よりも肥満の人が多いのは知っての通り。だが、実は欧米人は日本人よりも糖質の摂取量は少ない。
「昔の日本人は、1日に3〜4合もの米を食べて肉体労働をしていました。日本人の体は糖質をムダなく使い、しっかりと動くことができるのです」
裏を返せば、日本人の体には、欧米人のような量の脂質は必要ない。日本人は、脂肪分を摂りすぎると、たちまち太ってしまう。
※女性セブン2022年10月20日号