「治療は口を開けた状態で、切除できる程度の大きさの場合は手術を選択します。後遺症が残りにくく、外から傷も見えず、入院も1~2週間です。今年、手術支援ロボットダヴィンチが保険収載され、より低侵襲な手術が可能になりました。がんが大きい場合などは放射線と抗がん剤の併用治療を実施します。約2か月の治療期間が必要ですが、かなり高い治療効果が見込めます。予後もよいので、治療効果と後遺症を考慮した上で治療方法を選択することが大切です」(松本教授)
同じHPVが原因の子宮頸がんは前述のワクチン接種による1次予防と検診による2次予防で効率よく防げている。
一方、HPVによる中咽頭がんはワクチンの効果を検証したくても、まだワクチン接種の対象になっていない。その現状を改善し、今後のデータの蓄積を基にした発症予防に注目が集まっている。
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年10月21日号