見た目で笑わせるタイプの芸人ではない
男性客が多く「男ウケ」するコンビという印象もあるが、もちろん多くの女性ファンも抱えている。そんなビスブラが「推し」だという、関西のお笑いファンの女性・Bさん(20代)はこう語る。
「ここ数年、マンゲキや森の宮漫才劇場、NGKなど、ビスブラが出演するライブは7割ぐらい観に行ったと思います。コロナ禍になりテレワークが続いた時期は、よしもとのチケットサイトで彼らの名前を検索して、出てきたライブは配信も含めて、すべてチケットを買いました。2020年に気持ちが落ち込んでいたとき、ビスブラの劇場公演と、彼らがYouTubeでアップしてくれたラジオに心を救われたんです。絶対に売れると信じていたので、今回のKOC優勝は夢のようでした」(Bさん)
「女子人気が低そう」と思われがちだが、「たしかにライブに男性ファンは目立ちますが、女性は常連客が多い」とBさんは言う。
「ビスブラが出演する劇場ライブは、常連の女性客の人も多くて、『あ、あの人また来ているな』とわかりますよ。個性的なファッションの女性から、乃木坂系の綺麗なお姉さん、関西ギャル風の人もいます。女性目線で見ると、ビスブラのお二人は癒し系で、キャラクターみたいでカワイイんですよね。原田さんは整った顔をしていて、『顔のパーツは朝日奈央さん似』と言われたりしています(笑)」(Bさん)
都内在住で、大阪出張の際にマンゲキに通っている女性・Cさん(30代)も、ビスブラが「推し」だという一人。彼らの魅力は圧倒的なパワーだという。
「劇場公演では、原田さんが舞台に現れた瞬間にドッと笑いが起こるくらい、笑いのパワーというか、“おもしろオーラ”を感じます。ロバートの秋山竜次さんやアインシュタインの稲田直樹さんなどもそうですが、出てきただけで客席が笑っているんです。パワー系ですね。
あまり知らない人は、見た目で笑わすタイプの芸人だと勘違いするかもしれませんが、そうではないと思う。なんといっても唯一無二の世界観と緻密な設定やセリフ、そして人の魅力のマッチングです。ネタの中毒性が強いので、一度好きになったら定期的にネタを観に行かないとムズムズするくらい。ビスブラの面白さは、とにかくテレビじゃなくて、劇場で体感してほしいです」(Bさん)
劇場を爆笑の渦に巻き込む強烈かつ洗練されたネタと、平場も期待できるスマートな立ち回り。またKOC審査員も絶賛した演技力。周囲の芸人から「優しさのかたまり」と評される“きん”と、ネタ作りを担当し、マンガと公園大好きな“原田”──。現在は大阪を拠点に活動するビスケットブラザーズだが、今後はその活躍の場が全国に広がっていくかもしれない。