眠気がすっきりしない朝、少しでも体を休めようとやってしまいがちな二度寝には、大きな弊害がある。日本ショートスリーパー育成協会代表理事の堀大輔さんが解説する。
「二度寝は、起きるかどうかに悩んで脳を使うため、認知能力が大幅に低下します。しかも二度寝、三度寝をして目覚ましを何度も鳴らしているうちにその音に慣れて、無意識に止めるようになって、起きられなくなる。実際に、朝が弱い人の9割以上は二度寝をしています。一度目が覚めたらそのまま起床するのがベストです」
アルコールの力によってスムーズな入眠を促すナイトキャップも最新の科学では否定されている。
「確かにアルコールには寝付きをよくする効能がありますが、睡眠も浅くなるため、中途覚醒しやすくなります。トータルで考えれば、睡眠の質は低くなる。
お酒を飲むなら晩酌に留めて、寝るときにはアルコールが抜けているのが理想です。体重60kgぐらいの成人男性なら、3時間でエタノール20ccほどを分解できます。日本酒なら1合、ビールならロング缶1本ぐらいで、女性はその半分が目安。逆算して飲んでおけばアルコールの悪影響を防ぐことができます」(坪田さん)
夜のスマホはブルーライトが睡眠に悪影響を与えるので避けるべきだが、ブルーライトを悪者にしすぎるのも問題だ。2021年に眼科医1005人を対象に行われた調査によれば、子供用のブルーライトカット眼鏡が、成長に必要なバイオレット光まで奪ったり、睡眠障害につながったりすると7割の医師が回答している。
※女性セブン2022年11月10・17日号