高リスクは「タイプA」
あの人はのんびりしていてイライラする──そう思ってしまう人も要注意だ。
1959年、米国の心臓外科医メイヤー・フリードマン氏らは、せっかちで怒りっぽく競争心が強い人を「タイプA」、のんびりしていて内向的な人を「タイプB」に分類し、寿命との関係を調査した論文を発表した。
カリフォルニア州で働く39~59歳の男性3154人を対象に、8年半の間に心臓疾患の発症率がどれくらいあったかを調べると、タイプAはそうでないタイプに比べ、心筋梗塞の発症率が約2倍、狭心症も約2倍高かったと示した。産業医科大学教授で医師の江口尚氏が指摘する。
「この研究では、時間に対する強迫観念がストレスになり、疾患につながるとの仮説が示されました。タイプAの人はタフで活動的なため仕事において成功を収めやすいと考えられますが、一方で心臓病発症のリスクを抱えかねないという指摘なので、穏やかな暮らしを心がけたほうが健康にはよいかもしれません」
勤勉で、のんびりの人が最も長生きできそうだ。
※週刊ポスト2023年1月13・20日号