『週刊読売』(1960年1月24日号)より。すでに音楽ライターとして活動していた国際基督教大学1年生の大宅映子

『週刊読売』(1960年1月24日号)より。すでに音楽ライターとして活動していた国際基督教大学1年生の大宅映子

 

 昭和の時代に女子高生が「浪人」を決意 

 「浪人したい」と父親に言うと「お前がそうしたいならそうしろ」と意外なことに反対されなかった。女子の4年制大学進学率2%の時代に、浪人する女子高生がどれだけいただろう。「しっかり勉強するいい機会かもしれない」と前向きに捉えた。 

  1960年春、敬子は浪人生活に入った。当時、横浜市内には目ぼしい予備校がなかったため、御茶ノ水まで通学した。周囲は男子ばかりで奇異な目で見られなくもなかったが、まったく気にならなかった。 

 もし、このとき、敬子が別の大学を選択していたら、浪人しなかったわけだから、人生は変わっていたのだろう。浪人生活こそが、敬子の運命を大きく旋回させるのである。 

 (文中敬称略。以下次回、毎週金曜日配信予定) 

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