さらに時間に対する価値観について聞くと、タイパを重視する理由は、「自分が価値を感じるコトに、時間を割きたいから」という回答が49.3%で最多に。今の若者はコスパが高いものが好きだが、一方で趣味や「推し活」など、自分の好きなものにはお金を惜しまない傾向にある。それと同様、好きなものに対しては時間を惜しまない傾向が見て取れるというわけだ。
好きなものに割く時間のためのタイパ
今の若者世代は、生まれたときからスマホやSNSなどを利用してきたスマホネイティブ、SNSネイティブ世代だ。たとえば動画コンテンツだけを見てもYouTubeやTikTok、Amazonプライムビデオ、Netflixなどが溢れかえっており、大量の情報を効率よく収集することも求められる。
タイパ主義になる人達には2種類おり、1つが子育てしながら仕事をする子育て世代など、実際に時間がない、効率性を上げる必要性にかられている人たちだ。家事効率化や仕事の効率化を図りながら、何とか子どもと過ごす時間を捻出しているという人は少なくない。
もう1つが、若者を中心とした、自分の好きなことに時間を割くためにタイパを求める人たちだ。大学生などに話を聞いてわかったことは、若者たちも、すべてに対してタイパやコスパで考えるわけではないということだ。
先程の大学生は、好きなアニメは大画面で倍速視聴やスキップなどもせずに見る。そのアニメは映画化もしたが、やはり映画館へ行って見たという。「好きなものは楽しみたいから、ゆっくり丁寧に見る。ポイントさえわかればいいもの、情報として抑えておくことが目的のものを効率よく見ているかな」
現代人は様々なことに追われ、大量の情報に囲まれていつも時間に追われている。若者のタイパ志向と情報の得方は、現代に生きる我々ならではの新しい楽しみ方と言えるのではないだろうか。