ハズレを見るのは時間がもったいないと感じるためだ。ネタバレはまったく気にならず、見逃さないためにも事前に見るべきポイントを確認してから見るという。切り抜き動画とは、YouTubeなどの動画を短く編集したダイジェスト版のような動画のことだ。第三者が編集していることも多く、動画のポイントや面白いシーンなどがまとめられたものだ。
違法と知ってやめたが、ファスト映画を探して見ていたこともあるそうだ。ファスト映画とは、映画の映像を無断で10分程度に短くまとめたストーリーの要約的な動画のこと。言うまでもなく著作権侵害行為であり、2022年11月にはファスト映画をYouTubeにアップロード、合計再生回数が1000万回に上っていた2人が映画会社等に訴えられ、5億円の損害賠償請求を受けている。
YouTubeやAmazonプライムビデオ、Netflixなどの動画では、視聴速度が変えられるようになっている。再生速度を1.5倍速や2倍速などにする「倍速視聴」も若者世代には当たり前だ。
その大学生は、「大学の講義とかはポイントが分かればいいので絶対に倍速視聴。でも最近は対面講義が多くて、対面だと倍速はできないから効率が悪いと思うことがある」という。
タイパ重視は85%、価値を感じるものに割きたい
コスパを重視するのは節約意識が強いことの反映だったりするが、では若者はなぜタイパを重視するのだろうか。
SHIBUYA109エンタテイメントの「Z世代の映像コンテンツの楽しみ方に関する意識調査」(2022年8月)によると、「タイムパフォーマンスを重視するか」という問に対して85%が「重視する」と回答。
サブスクでの映像コンテンツの楽しみ方についても聞いたところ、「ながら見(別の作業をしながら映像を見る)」するという回答は81.3%、「倍速視聴」は48.6%、「スキップ再生(映像を飛ばしながら見る)」は51.5%、「ネタバレ視聴(作品を楽しむ前にある程度の内容を把握しておく)」は44.3%となった。