“やせるサプリ”は特に危険
いまの日本において、サプリメントを含む「健康食品」は、ある程度のルールはあるものの、機能の表示はもちろん、形状も自由だ。最近は「脂肪と糖の吸収を抑える」と書かれたお茶なども手軽に買える。形成外科医で『医者が家族だけにはすすめないこと』著者の北條元治さんが言う。
「こうした商品には、難消化性デキストリンや高濃度カテキンのほか、サラシノール、エピガロカテキンガレート、モノグルコシルルチンといった整腸作用や血糖値を下げる働きがあるとされる成分が含まれています。確かに、一つひとつの成分の薬理作用は認められていますが、健康食品である以上、効果が得られるほどの濃度が配合されているとは考えにくい。気休めに過ぎないばかりか、大量摂取は下痢などの症状を引き起こしかねません」(北條さん)
同じ“やせるお茶”でも、以前ブームになった中国産の「減肥茶」には明確に危険がある。
「脳内出血や心臓発作といった強い副作用のあるフェンフルラミンが含まれています。実際に飲んだ人の3割に副作用が表れたという報告があり、絶対に避けるべきです」(生田さん)
現在は販売されていないが、一部のダイエットサプリから覚せい剤に似た作用を持つ医薬品成分が検出された例もある。「やせる」とうたう健康食品は、特に過信しない方がよさそうだ。北條さんは、私たちが持っている偏った健康常識を一度疑ってみるべきだと語る。
「本当に健康によい食べ物・飲み物とは“適切なカロリーと適切な塩分濃度、三大栄養素をバランスよく含んだ食事”のみで、これ以外にありません」(北條さん)
ベジタリアンや、日頃から食の細い人などが、足りない栄養素を自覚したうえで適切にのむなら、サプリメントは健康を支えてくれるといえる。だが左巻さんは「一般的な食事をしている人にはサプリは不要」と話す。どんなに体にいいものでも、過ぎれば毒。過信してはいけない。
※女性セブン2023年3月23日号