──灰原哀は“ツンデレ”シーンが度々ありますが、えなこさんご自身はツンデレな人ですか?
えなこ:私はすごく素直に伝えるタイプです。本当に誰にでも「ここがすごくいいよ」とかよく褒めるので、逆に相手が照れちゃうくらいです。なので、ツンデレとは違うかもしれないですね。
ただファンの方たちにはどうしても「好きだよ」とか、そういうこと言えなくて…。もちろん感謝もしているので、好きという気持ちはあるのですが、それを言葉にすると「しらこいな」と思ってしまって言えないんです。ファンの方たちに対しては、ある意味ツンデレかもしれないです(笑い)。
──えなこさんはコスプレを始めたのは中学生の頃だったとか。始められたきっかけを教えてください。
えなこ:深夜アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』にはまって、ネットで調べていたらコスプレの文化を見つけました。最初は「すごいなあ」と見ていただけなんですが、たまたま中学生の時の親友の子がオタクでコスプレイヤーだったんです。その子に誘われたのがきっかけでした。
──その当時、コスプレを今も続けていると想像していましたか?
えなこ:いえ、全然! 大学生あたりで辞めていると思っていました。でもやっぱり根本として、アニメが好きとか、コスプレが好きとか。“好き”という感情がちゃんとあったからこそ、ここまで続けてこられたと思いますし、たくさんの人に見てもらえたから、お仕事に繋がったんじゃないかと思います。メイクなども自分でやっていますし、時間があったら衣装も自分で作っています。休みの日や寝る時間を削って次やその次のお仕事で使うウィッグを選んでカットしたりもします。好きじゃなかったら…やってられないですね(笑い)。
──仕事が増えて忙しい日々を送る中で、アニメやコスプレの好きな気持ちが薄れてしまう事はなかったですか?
えなこ:実はありました。3年くらい前に仕事が忙しくなってきて、アニメを全然見られてなかったり、ゲームも一切できなくなったりと、時間がなくて手がつけられなくなったんです。そんなときにコスプレをやっていて「あれ、もしかしたら私ってそんなにアニメとかコスプレを好きじゃないんじゃない?」と思うことがあって、不安になりました。
──どうやって克服されたのでしょうか?
えなこ:久しぶりにアニメを見たら、やっぱり面白いと感じました。そこからは、「時間がないならご飯食べている時とか、移動しているときとかに見ればいいじゃん」って思うようになって。ゲームも、継続してストーリーを追うものだけじゃなく、今はオンラインゲームも流行っていて、パッとできますし。漫画も電子書籍が増えていつでも読めるようになったじゃないですか。いろんな方向でオタク活動を楽しむ方法があるって気づいたんです。学生時代に比べたらもちろんアニメもゲームもマンガも接する頻度はとても減りましたけど、やっぱり“好き”っていうところが変わってなかったなと再認識しました。
──今回が『女性セブン』初登場ということで、初めてえなこさんを知る方も多いと思います。コスプレの良さも含めて読者にメッセージをいただけますか。
えなこ:いきなりコスプレの写真が出てきて驚いた方もいるかと思います(笑い)。私自身、学生時代からコスプレを始めて、今でもずっと続けています。コスプレは誰でも始められて、自己満足できる趣味だと思っているので、もし私のコナン君や灰原哀の写真でちょっとでも、「似てるな」とか「興味出てきたな」という方がいたら、是非もっとコスプレやアニメの世界に理解や興味を持ってもらえたら嬉しいです。
読者の中にはお子さんがいらっしゃる方もいるかもしれませんが、実は私は中学生の頃、最初は母にコスプレを止められていたんです。時代が時代だったので、今ほどコスプレイヤーも多くなかったですし。アニメが好きということ自体あまり受け入れられてなく隠していたんです。部屋のコスプレ衣装が見つかった時も怒られてしまいました。もちろん、当時の状況や“オタク”の扱いを考えたら、母も心配しての事だったと今は理解しています。ですが、私の今があるのは自分の”好き”を貫けたからだと思っています。なので、もしお子さんがコスプレをしていても、止めないで頂けたら嬉しいです。
【Profile】
1月22日生まれ。愛知県出身。身長154cm。中学生のころからコスプレを始め、ネットを中心に話題となる。No.1プロコスプレイヤーとしてテレビやCM、グラビアなど、さまざまなジャンルで活躍し、2020年にはクールジャパン・アンバサダー(現:クールジャパン広報大使)に、2021・2022年年に最も多く雑誌の表紙を飾ったモデルとして2年連続「カバーガール大賞」に輝く。
撮影/藤城貴則 衣装ディレクション/株式会社リアラ ヘアメイク/miko (C)青山剛昌/小学館
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