1997年、イギリスの研究チームが発表した論文では、45歳から59歳までの918人の男性が10年間追跡調査されている。性的興奮の頻度が「月1回未満」だと回答したグループの10年後の死亡率は、「週に2度以上」と回答したグループの約2倍だったという。

 医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。

「この調査では実際に性行為に至らなくても、性的興奮を覚えるだけでOKとされている。性的なことを考えることそのものが、死亡率を下げていると推測できます。

 今回の櫻田氏の研究は、イギリスの研究の20倍以上の対象を扱っている点で優れている。海外でも高く評価されています」

前立腺がんのリスクが下がる

「セックスが健康につながる」とする研究論文は、他にもある。

「ハーバード大学の研究によると、月に21回以上射精している男性は、月に4~7回の同年代男性に比べ、約22%、前立腺がんのリスクが低かったという結果が出ています。

 その他、カナダのローリエ大から、出勤前にキスをして出かけるカップルは、しないカップルに比べ寿命が5年長いという研究報告が出ています。高齢者の性と健康寿命の関連については、今後も注目分野として研究が進むでしょう」(室井氏)

 高齢にもかかわらずお達者な人といえば、かつて“銀座の帝王”として名を馳せたみのもんた氏(78)である。パーキンソン病を患っていることを公表後表舞台から姿を消し、“クラブ活動”も自粛していたが、最近になって銀座の飲み歩きを再開したという。3月上旬、本人に話を聞くと、足取りはしっかりして、表情は豊かだった。

「(再婚相手を)毎日、毎日探してるよ」

「(健康状態は)まぁまぁだね。銀座には週に2、3日行けるくらいだよ。(仕事については)若い連中に道を譲ってやらないとね。銀座は譲らないけどね(笑)」

“好色ジジイ”は長生きする?

※週刊ポスト2023年4月28日号

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