また、動物性タンパク質に含まれるリンは吸収されやすくて腎臓の負担になる一方、植物性タンパク質に含まれるリンは吸収されにくいという。
「同じようにタンパク質を摂るなら豆腐、納豆、豆乳、大豆ミートなど大豆製品のほうが望ましいでしょう」(黒尾医師)
さらに、加齢とともに骨に蓄えられたリンが血中に溶け出しやすくなることにも対策を講じたい。
「骨や筋肉を衰えさせないように運動することで、骨の中にリンを蓄えておけるようになる。有酸素運動(ウォーキング、エアロビなど)やレジスタンス運動(筋トレ、マシントレーニングなど)が有効ですが、70歳以上の人が強度の高いものをやるのは難しい。
そこで、日常のなかで『座位行動時間を削減する』というアプローチが注目に値します。有効になる強度や頻度は研究の途上ですが、座ったままの状態が30分以上続いたら立ち上がって部屋の中を1~2分歩くといったことを心がけるだけでも、骨からリンが溶け出すのを一定程度防げると考えられます」
早めの対策が肝要だ。
※週刊ポスト2023年5月5・12日号