代名詞「刺青姿の担ぎ手」は禁止されたはずだが……
三社祭といえば、SNS上では刺青を露わにしたふんどしや水着姿の男女が祭りに参加している写真や動画が拡散されている。
だが、これは「昔の話です」と、氏子が語る。
「数年前から規制が入って、刺青を出すのは禁止されているんです。神輿の上に乗るのも禁止。昔は男性も女性も刺青を出している人は多かったんですが、今はほとんどみないですね」
時代の流れには従わねばならない。刺青を入れていると思わしき人たちは長袖のシャツやレギンス、アームカバーで刺青をすっぽり覆い隠していた。しかし、25℃を越える暑さに加えて、4年ぶりの祭りの“熱さ”には敵わないのか。刺青の入ったふんどし姿の男性5人が立っている神輿が1基見受けられた。この神輿の側には複数の警察官が目を光らせていたが、注意などはせず。警察官に「刺青を露出していいのですか」と聞いてみたが、「露出を許可しているわけではないんですが……」と答えを濁した。目に見えて迷惑がかからない限り、盛り上がりに水を差したくないという“粋”なのかもしれない。
また、設置されているテントの中は規制外なのか。多くの人が法被を脱ぎ捨て、刺青を露わにして休憩していていた。
観光客や地元住民からは「刺青は怖かったので安心」「刺青姿も祭りの華だった」と賛否の声があったが、4年ぶりの本社神輿には皆、口を揃えて「よかった」という感想が聞こえた。海外観光客にとっても大満足だったようで、カナダから三社祭りを目当てにきた3人組の観光客は日本語で「メチャクチャカッコイイ」と興奮した様子だった。