西武、ダイエー、阪神でコーチを務め“野村克也氏の懐刀”ともいわれた黒田正宏氏は、黄金時代の西武で内野守備の要だった辻発彦氏が、次期代表監督に適任ではないかと指摘する。
「2017~2022年に西武を6年間監督として率いた辻発彦。彼しかいないと思っている。現役時代、浅めに守りながら広い範囲をカバーした守備力は歴代ナンバーワンだと思っていますし、一緒にコーチをやった時の手腕を見ても、その指導力は抜群。種田仁(元・中日ほか)や石井琢朗(元・横浜ほか)などの名内野手を多く育て、西武監督時代も若い選手がどんどん出てきた。森友哉(現・オリックス)を我慢強く使うなど指導者としても評価している。西武がBクラスに低迷していた時代にチームを引き受け、チームを立て直した。2006年のWBCでは内野守備・走塁コーチも経験している。実績としては申し分ないでしょう。勝つための野球ができる人だと思っています」
◆カッコいい監督がいい
一方、野村ヤクルトで先発投手として活躍したギャオス内藤氏は、元内野手でも阪神で長く活躍した鳥谷敬氏を挙げた。代表監督候補として名前が出ることは少ないように思えるが、その理由は何か。
「世界の舞台で戦うんだから、ボクはカッコいい監督がいいんじゃないかと思いますね。そうやって考えると鳥谷敬がいいと思う。実績もありますし、41歳とまだ若くて選手と年齢が近い。野球をよく勉強しているからこそ長く現役(18年間)を続けられたのだと思う。鳥谷の解説を聞いていても、守備の要の遊撃手出身らしく、よく考えて野球に取り組んでいたことがうかがえます。若い解説者の中ではピカ一ですね」
第1回WBCを制した監督である王貞治氏も、第2回で世界一となった監督の原辰徳氏も内野手出身。挙がった名前は王氏、原氏とはタイプが違うかもしれないが、次期監督が内野手出身というのも、面白い選択なのかもしれない。