「なんのためにここにいるのか……」
「 今回『特定少年』として注意しているのは、自宅周りの聞き込みをするときに、こちらからは容疑者の名字と名前を出さないということ。向こうに心あたりがあればそれに応じて話を聞くが、そんなことはなかなかないので、取材は難しい。実際、報道でも『岐阜県』以上の情報は出してないですよね。
テレビも大きなカメラを持って夕方の多い時は5社ほど待機していたが、家族が出てきたところでどうすべきかはわかっていないというのが本音です。起訴されれば顔写真や名前の報道が可能になるということなので、今はそれに備えて映像や写真を集めている会社も多いのではないかとは思います。
ただ、マスコミの車が田んぼのなかに建ち並んでいて、カメラをもった取材陣は多い時で20人以上自宅前に待機していました。自宅や本名が特定されてはいけないというけど、この風景を誰かがSNSに上げたら、名前なんてすぐに表に出てしまうのではないか」
21時を過ぎても自宅前に張り付いていた全国紙の社会部記者も、戸惑いを口にした。
「今日(15日)の夕方17時頃、自宅から人がひとりこっそり出てきて、バイクに乗りこんだんですよ。20人ほど待機していた取材陣はいつもならすぐに詰め寄って話を聞こうとするんですけど、今回は皆が目配せしあって、なかなか一歩目を踏み出す記者がいなかった。そのままバイクは逃げるようにどこかに走り去りました。これじゃあなんのためにここにいるのか、わからないですよね。
今日は射撃場で家宅捜索がありました。自宅のガサ入れ(家宅捜索)がいつになるかわからないので、こんな時間まで一応自宅前にいるのですが、そもそも家宅捜索してる絵も結局我々は撮れないですからね。本当になんのためにいるのか……」