●旧岩船氏庭園(香雪園)「知る人ぞ知る函館の穴場スポット」
北海道で最初に国の名勝に指定された本格的な風景式庭園。明治時代の豪商・岩船峯次郎が、明治から大正にかけて別荘として築造したものだ。
「『香雪園』のある見晴公園は、もともと呉服商だった岩船家の土地で、和風の庭園や書院風の園亭、レンガ造りの温室などが点在しています。茅葺の茶室は雰囲気がよく、その一体はとても静か。比較的、観光客も多くないので散策におすすめです」(イトウさん)
住所:北海道函館市見晴町56
開園時間:9〜17時
休園日:12〜3月
料金:一部有料
●臥龍山荘「桃源郷のような雰囲気を醸し出す」
愛媛県・大洲出身の貿易商・河内寅次郎が明治後期に建てた数寄屋造りの別荘だ。
「大洲城の城下町東部・肱川の『臥龍の淵』と呼ばれる淵に面した崖上に立地しています。敷地は南北に長く、入り口にあたる北側には母屋の臥龍院と二階建ての文庫、南端には茶室・不老庵があります。その間を結ぶ園路は、飛石を用いた繊細なデザイン。周囲の景観を生かし、建物と庭園が織りなす空間は桃源郷のようです」(小野さん)
住所: 愛媛県大洲市大洲411-2
開園時間:9〜17時(入園は16時半まで)
休園日:無休
料金:550円ほか
●一乗谷朝倉氏庭園「中世の庭園風景がよみがえる」
1471から1573年までの100年あまり、越前国(現在の福井県北東部)を支配した朝倉氏一族の遺跡にある庭園群で、諏訪館跡、湯殿跡、南陽寺跡、朝倉館跡などに庭園が残る。近年の発掘調査で、“北の京”と呼ばれるにふさわしい姿が残っていることがわかっている。
「その個性的な石組のデザインからこの時代の庭園文化がうかがえます。また、一乗谷朝倉氏遺跡は町並みの復元や遺構表示などの整備が全般的に進んでいるので、中世城下町の様子が実感できますよ」(小野さん)
住所:福井県福井市城戸ノ内町
開園時間:24時間開放
休園日:なし
料金:無料
取材・文/廉屋友美乃 撮影/大塚七恵
※女性セブン2023年7月6日号