汗ばむことの多いこの季節、帰宅後は湯船につからずシャワーで済ませる人も多いだろう。しかし、入浴時は約40℃のぬるめのお湯につかることが眠りにはいいという。
「きちんと睡眠をとるためには、夏場でも10分程度、ぬるめのお湯につかることが大事です。お湯につかって深部体温が上昇すると、お湯から出た後に身体から熱が逃げて涼しく感じ、その後は深部体温が下がって眠くなるからです。寝る時間から逆算し、1時間半~2時間前に湯船で身体を温めるのが効果的です」
就寝時の服装も眠りの質に影響する。暑い時期にはTシャツ、短パンなどの涼しい部屋着のままで眠るという人も多いが、実はこれが睡眠を妨げてしまう場合がある。
「理想的な就寝時の服装は、眠るための衣服としてつくられたパジャマです。寝ている間は体温調節のため汗をかきやすく、着衣の吸湿性は快適な眠りを左右する大きなポイント。夏場でも、長袖長ズボンのパジャマのほうが、汗を十分に吸ってくれます」
また、就寝前に軽いストレッチをすると熟睡しやすくなるという。
「就寝前は静止した状態で筋肉を伸ばす静的ストレッチがお勧めです。例えば、布団の上で仰向けになり、深呼吸しながら足首をゆっくり曲げ伸ばしする動作を1分ほど行なえば、足の血行を促進して深部体温を下げることができます」
ただでさえ寝苦しい夏の夜は、室温をどう保つかも重要なポイントだ。
「熱帯夜にエアコンをつけずにいると、熱中症の危険もあります。命と快適な睡眠を優先するために、エアコンは途中で切らずに眠りましょう。睡眠時は深部体温が日中より下がるため、日中の設定温度が27℃なら夜は28℃といった具合に1℃高くするのがお勧めです」