当時住んでいたアパートに帰宅後、仮眠をとってシャワーを浴び、再びサティアン群に向かおうと身支度していると、自宅に「テレビ見たか。オウムがついに動きだした!」と知人から電話が入る。慌てて電源スイッチを入れたテレビの画面には、地下鉄霞ケ関駅(東京都千代田区)でテロらしき事案が発生し、多くの乗客らが路上に倒れ救急車などの緊急車両が駆け付けている阿鼻叫喚の様子が空撮動画で映し出されていた。

 この時、多くの国民が世紀の凶行の発生を目の当たりにした。一斉捜索が近く始まるという強迫観念にかられて事件を首謀した教祖の刑が執行された2018年の朝、事件からは既に23年が経過していた。

【プロフィール】
大島真生(おおしま・まなぶ)/1968年東京生まれ。新聞記者。早稲田大学政治経済学部卒業。産経新聞で警視庁や警察庁、宮内庁などの担当を歴任。著書に『公安は誰をマークしているか』『愛子さまと悠仁さま』『特捜検察は誰を逮捕したいか』など。

 

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